「人手不足で」データ改ざん現場で横行…JR北

 JR北海道によるレールの計測データ改ざんは、函館保線管理室だけでなく、道内全域で行われていた。

 22日の衆院国土交通委員会で、同社の野島誠社長は道内9の保線担当部署で改ざんが行われていたと答弁。委員会は4時間半にわたり、改ざん問題以外にも、乗務員のアルコール検査の義務化や労組間のあつれきなど質問は多岐にわたった。一方、複数の保線担当社員は読売新聞の取材に「作業人員が足りず、改ざんは常態化していた」と証言している。

 「分割民営化後に人が減らされ、仕事が回らない。計測した生のデータをそのままパソコンに入力することなど、ほとんどない」。現役の保線担当社員は、改ざんの実態をこう語る。

 同社では、列車の待機に使う「副本線」と、進路変更に使う「分岐器(ポイント)」では、レールの幅が基準を超えて拡大するなどした場合、補修を義務づけている。だが、現場では人員不足から、基準を大きく超えた、危険なレールの補修を優先せざるを得ないという。現場の計測データは、各保線管理室などのパソコンに入力して管理するが、この社員は、基準値をわずかに超えた部分は、入力の際に基準内に収まるよう改ざんすることが常態化していた、と明かす。

 社員は「基準を1、2ミリオーバーしたぐらいでは安全に支障はない。正直にデータを入力すると、管理室が(上部組織の)保線所に怒られるので、改ざんしてしまう」と改ざんの動機について説明した。

 また、別の現役社員は「保線担当は、民営化前の4分の1程度に減らされた。補修に手が回らなくても『現場は良くやっている』と思わせるために改ざんしてしまう」と語った。

 計測データ以外の改ざんも横行していたという。

 ある元保線担当社員によると、保線業務では事故防止のため、見張り役を置かなければならないが、人員不足のため、見張りなしで作業することもしばしばだったという。元社員は「レールだけでも膨大なのに、橋や防音壁なども調べなければならない。検査項目が多すぎて、人が足りず、作業人数をごまかして報告していた」と証言。元社員は、作業人数の虚偽報告も「広い意味での改ざんだと思っている」という。野島社長は22日、道内9か所の保線担当部署で改ざんが確認されたことを明らかにしたが、元社員は「以前からある問題。氷山の一角だろう」と語った。

 一方、22日の衆院国交委終了後、野島社長らは国交省で太田国交相と約1時間半、面会した。面会後、野島社長は報道陣に、改ざんはすべて社内調査で判明した、と説明。質問があったので調査の途中経過を報告した、として「誰の指示で誰がやったのかはこれからの調査だ」と詳細は説明しなかった。

 また、野島社長は太田国交相から〈1〉総力での安全・安定輸送の確保〈2〉安全面の設備投資や修繕の前倒し〈3〉国交省の改善指示の迅速な実行――の3点を指示されたことを明らかにした。野島社長は「責任を取って辞任というより、3点をきちっとやれ、という指示をいただいた」と辞任する考えはないことを強調した。

(2013年11月23日13時43分 読売新聞)

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