保護主義が台頭してきた!日本 貿易縮小、過去最大

エコナビ2009:貿易縮小、過去最大 日本やアジア、苦境に拍車
 <ECONOMIC NAVIGATOR>

 世界的な不況を背景に貿易の縮小が加速している。25日発表された財務省の統計によると、日本の2月の貿易は輸出入ともに過去最大の減少率を記録。世界貿易機関(WTO)は、金融・経済危機の深刻化で09年の世界全体の輸出が前年比マイナス9%前後と戦後最大の落ち込みとなると予測する。米欧などで保護主義的な動きが強まり、「貿易拡大」を成長の基盤としてきた日本やアジア各国の経済は今後、一段と厳しい状況にさらされそうだ。

 ◇揺れる分業生産モデル
 「『貿易立国』である日本の経済の苦境ぶりを象徴している」(外資系アナリスト)--。市場では、日本の2月貿易統計に対してこんな声も上がった。輸出が前年同月比49・4%減の3兆5255億円とほぼ半減し、4カ月連続で過去最大の減少率となる一方、輸入も同43・0%減の3兆4431億円と円高不況に苦しんだ86年8月(41・2%減)をしのぐ過去最大の落ち込みを記録。貿易低迷による日本経済の縮小が一段と鮮明になったからだ。

 世界的な金融・経済危機が深刻化した昨秋以降、自動車やデジタル家電関連を中心に日本の欧米向け輸出は激減。夏場以降の原油急落で輸入も急減したが、減り方は輸出が輸入を大きく上回っていた。

 しかし、2月は企業の生産・雇用調整で個人消費が冷え込んだことを背景に、中国からの衣料品など生活品の輸入が大幅に減少。さらに、韓国や台湾からの半導体輸入も大きく落ち込み、日本の対アジア貿易は輸出が同46・3%減、輸入も同41・5%減と大幅に縮小した。

 特に、日本とアジア各国間の半導体など工業部品の輸出入急減は、日本の自動車や家電メーカーが収益モデルとしてきたアジア域内での分業生産体制が世界不況で激しく動揺していることをうかがわせる。最終製品の2大消費地の米欧が同時不況に陥り、需要が急減したことでアジア域内の分業生産が滞り、相互の部品供給も減少する“逆回転”が鮮明になった形だ。

 実際、2月は分業体制の下、中国や韓国、台湾と活発に貿易してきた半導体など電子部品の日本の輸出入がいずれも半減、3月以降も回復の見込みはない。

 米欧の不況が深刻化した昨秋以前には市場や産業界で「日本の景気後退克服の早道はアジアとの貿易活発化」(経済団体幹部)との期待感も高かった。しかし、米欧の景気悪化に連動して分業生産が急減し、貿易縮小が加速した今では、そんな楽観論は消失した。【清水憲司】

 ◇保護主義が追い打ち
 経済危機に伴って、自国の産業を守る保護主義的な動きが世界各国で広がり、関税の引き上げなどで貿易縮小に追い打ちをかける懸念が高まっている。WTOのラミー事務局長は「経済回復のエンジンとなる貿易を阻害する危険が増大している」と警戒を強めている。

 経済産業省が2月下旬にまとめた報告書では、ロシアで自動車や鉄鋼の関税を引き上げたり、インドなどで製品規格を厳格化するなど、昨年9月以降に新たに取られた貿易措置は13カ国・地域、約40件に上る。その後も「一部の国で新たな貿易措置の情報がある」(同省幹部)という。

 同省には、日本企業から「輸出先の関税が上がって困っている」「貿易管理が厳しくなって許可が下りず、輸出先の港で荷降ろしができない」などの声が寄せられている。世界的な需要急減に加え、保護主義によって貿易が更に停滞すれば、経済危機に拍車をかけることになりかねない。

 WTOは近く、各国の保護主義的な動きをまとめた第2弾の報告書をまとめる予定で、監視活動を強める方針だ。ラミー事務局長は「保護主義によって、この悪い状況を更に悪化させてはならない」と警告。4月2日にロンドンで開催される主要20カ国・地域の緊急首脳会議(金融サミット)で、保護主義的な措置を取らないことなどで各国の協調を呼びかける。【平地修】
毎日 090326

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