アベノミクスに思う 「僕には実感がない」非正規雇用のバス運転手

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東京新聞【千葉】2013年7月3日
衆院選 1票の現場から <アベノミクスに思う>

◆非正規雇用のバス運転手
労働組合を結成し待遇改善を訴えている、非正規雇用の男性=県内で

 「給料が上がる見込みがないまま、支出が増えていく。生活は厳しくなるばかりだ」。県内の路線バス会社で、非正規雇用の嘱託社員として働く運転手の男性(39)は表情を曇らせる。
 二〇一〇年秋から同社で働き始めたが、東日本大震災後の一一年秋ごろ、営業利益の低下や経費の上昇を理由に手当の一部を削減された。残業代もカットされ、月収は三万円ほど減って手取りで二十万円台半ばになった。
 京葉地域の市で父親と妻、長男の四人暮らし。震災の液状化で半壊した家を建て替え、月十万円以上のローンを払っている。妻が昨年白血病で入院。費用は貯金を取り崩して賄ったが、保険適用外の薬を服用し月の医療費は四万五千円に上る。「生活はギリギリというよりマイナス」と男性は自嘲する。
 職場の待遇を改善しようと、今年三月に社内にいる非正規の嘱託社員約二十人で労働組合を結成した。住宅手当やボーナスなどの待遇を正社員と差別しないよう四月から会社と交渉を始めたが、回答はまだない。
 「アベノミクス」と呼ばれる安倍政権の経済政策には、疑問を抱いている。バス会社は円安により燃料費が高騰し、社員の給料を上げようとしない。一方で、デフレ脱却といって物価が上がれば、結局は生活しにくくなるだけではないか、と。
 「アベノミクスは一部の人間だけが潤うだけで、僕には実感がない。消費税増税なんてもってのほか、本当にやめてほしい」と危惧する。
 政府内で導入議論が進む「限定正社員」も、正社員と非正規の中間ともいわれるが、危機感を覚えている。会社では、頼んだのに両替をしなかったというクレームが一件入っただけで、契約社員が退職に追い込まれた。正社員でないことで先行きの不安を感じることは何度もあった。
 「会社は結局、非正規雇用の社員を使い捨てとしか考えていないんです。限定正社員は、そんな立場の人を救うことにはならないし、僕らも無理やり解雇しやすい立場に追い込まれる可能性だってある」
 これまで、政治に興味を持ったことはなかった。自民党・小泉政権の規制緩和路線で、派遣労働の対象が拡大された当時は、別の仕事で正社員だったため問題を感じなかった。「今は正直、小泉改革の前に戻してほしい」
 民主党が政権交代を果たした〇九年衆院選は、誰に投票したかは覚えていない。一二年衆院選は妻の看病で選挙に行けなかった。
 「今度の参院選では、労働政策を考えて非正規雇用の立場から物を考えてくれる人に一票を投じたい」という。(白名正和)
    ◇
 参院選で問われる安倍政権の経済政策、憲法、環太平洋連携協定(TPP)などをめぐる有権者の思いを聞いてみた。(この企画は随時掲載します)

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この記事へのコメント

2013年07月23日 20:06
立ち寄り観覧させてもらってます
(o^-^o)
求人ポスターを観ました
『〇〇路線バス運転手募集!時給〇〇〇円〇~〇時または〇~〇時の早番、遅番シフト、毎年契約社員社会保険加入"応談"バス会社〇〇株式会社 担当〇〇まで』って生命預ける乗客の仕事って時給勤務なのね?
(-_-#)

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