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zoom RSS JR北海道 「このままでは取り返しのつかない事故が起こるのではないか」  毎日新聞 

<<   作成日時 : 2014/04/04 11:05   >>

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記者の目:JR北海道、トップ交代=遠藤修平(北海道報道部)
毎日新聞 2014年04月01日 東京朝刊


 ◇新幹線より日々の安全

 レール検査記録の改ざんが、刑事事件にまで発展したJR北海道。社長と会長が更迭され、1日からJR東日本主導で新体制がスタートする。しかし、トップの交代だけでは、この会社の宿痾(しゅくあ)ともいえる「安全軽視」の企業風土を変えることはできない。2年後には北海道新幹線の新青森−新函館(仮称)間の開業が迫る。1日36万人を運ぶ在来線の管理すらおぼつかないのに、新幹線の運行を担う資格があるのか疑問だ。いまは開業を遅らせてでも本業の立て直しに専念すべきだ。

 ◇緊張感欠けた、2人の記者会見

 新社長に就任する島田修・JR北海道元常務(56)と新会長の須田征男(ゆきお)・JR東日本元常務(70)は3月13日、そろって初の記者会見に臨んだ。職場の風通しが悪い原因と指摘される労働組合への対応や、石勝線脱線炎上事故(2011年5月)後に作成した「安全基本計画」の見直しに関する質問が出たが、「実態を確認してから対応を考える」などと慎重な答えに終始した。

 一方で趣味や座右の銘に関しては口調が滑らかで、島田氏は「学生時代は登山が趣味でしたが、体重が増えたいまは難しいですね」、須田氏は「北海道の雄大な自然を楽しみたい。釧路湿原のSLに乗りたい」と満面の笑みを浮かべた。2人に託されたのは、鉄道事業者としての資質すら問われた組織の改革だ。だが、内容はあまりにも緊張感に欠けたものだった。「新生JR」に向けた意気込みを期待した私は、暗たんたる思いがした。

 ◇責任あいまいで、社員さらし者に

 この1年、JR北海道の取材を続けてきた私は、問題の背景には責任の所在をあいまいにしてきた体質があると考える。端的に表れたのが昨年9月、自分の操作ミスを隠すため自動列車停止装置(ATS)を破壊した運転士の処分をめぐる対応だ。事件発覚後、会社は運転士を15日間の出勤停止処分にし、列車の検査や修理を担当する部署に異動させた。「集団の中で仕事をさせ再教育する」というのが理由だった。安全を守る最後の命綱を自ら断った者を保守点検部門に異動する−−。私には、たちの悪い冗談としか思えなかった。

 衆参両院の国土交通委員会でも「処分が甘すぎる」と批判が集中。それでも「処分に問題はない」という姿勢だったが、最終的には国交省からの指示で一度は取り下げた被害届を北海道警に再提出。運転士は器物損壊容疑で逮捕された。当初からきちんと処分しておけば、こんなことにはならなかっただろう。運転士の行為を正当化はできないが、身内に甘い内向きの企業体質が裏目に出て、結果的に社員を「さらし者」にした。JR北海道の経営に詳しい北海道教育大の宮田和保教授(経済学)は「経営陣の認識が甘く対応がぶれた。背景分析があいまいなまま個人の責任だけを問えば社員の萎縮につながる」と指摘した。

 最も問題が多発した保線部門。組織の荒廃ぶりには寒気を覚える。社内調査の結果、レール検査記録の改ざんは全保線44部署のうち7割の33部署で行われ、社員795人中129人が手を染めたと答えた。「前任者からの引き継ぎで慣例化」さえしていた。23年前の労使交渉では、国鉄労働組合(国労)北海道本部がそのことを指摘したが、会社側は詳しく調査せず放置した。長年保線部門に携わり、12年から責任者を務める笠島雅之取締役工務部長が知らなかったはずがない。しかし、笠島氏への処分は役員報酬の減額だけ。4月から非常勤取締役に退くが、会社側は「更迭ではない」(小山俊幸常務)と説明する。ATS破壊運転士への対応と同じだ。

 JR北海道は昨年11月、安全管理体制を強化するため、JR東日本から8人の技術職社員を受け入れ工務部や運輸部などに配属した。8人のうちの一人の伊勢勝巳氏が笠島工務部長の後任を務める。副社長には東日本仙台支社長の西野史尚(ふみひさ)氏(55)が就任し鉄道事業本部長を兼務。鉄道部門の中枢を東日本出身者が占めることになった。しかし、企業風土をつくってきたのは結局は人であり現場だ。本社だけ人員を入れ替えたとしても、長年にわたって染みついた悪弊を断ち切るのは難しい。

 一連の問題を受け、枕木のコンクリート化や老朽車両の更新などが進む。一方、すでに新幹線車両40両を発注し、開業に関わる人員も約100人増強した。会社側は「在来線の業務を兼務して準備を進めるので問題ない」と説明するが、現場からは「新幹線に人が取られて、日々の業務に支障を来している」との声が上がっている。このままでは取り返しのつかない事故が起こるのではないか。杞憂(きゆう)に終わることを願うばかりだ。

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