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<<   作成日時 : 2010/05/28 09:07   >>

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増え続ける非正規教員
 ◆ ワーキングプア教師
   〜居酒屋バイト、生活保護受給・・・

 働いても働いても、食べていけない。そんな「非正規採用の先生」が全国で増えている。
 週末にアルバイトを立て続けに入れたり、複数の学校を掛け持ちしたり、生活保護を受ける教員もいる。派遣切りで注目されたワーキングプアの問題は、学校にまで広がり始めた。
 教壇に立てば見分けがつかないが、わが子の通う学校の先生も、困窮生活をしているかもしれないー。(出田阿生)

 ◆ 同じ仕事でも月収は9万円
 「朝八時半に学校へ行き、夕方授業が終わると教室を飛び出して、午後五時からの居酒屋バイトへ。明け方五時に帰宅することもあった。これでも私は都立高校の先生でした」。
 昨年から今春まで約一年間、都立高で教えていた男性(二六)は、こう話す。
 居酒屋では仲間や客から「なんで先生がこんなことやってんの?」と聞かれた。理由は「先生としての収入」があまりにも少なかったからだ。複数校を掛け持ちしても月に約12万円。教員給料の平均月収は約9万円だった。


 男性は教員免許を持っているが、採用試験には受かっていない。都立高での身分は「時間講師」。いわゆる非常勤(非正規採用)の教員で、正規教員の病欠の穴埋めや勤務時間軽減などのために任用される。

 ◆ テスト採点はボランティア
 なぜ低収入なのか。理由の一つは時給制にある。
 経験年数一年未満が1900円、二年未満が1970円…と、経験を一年積むごとに70円昇給するが、授業時間以外は無給。
 教材準備やテストの作成、採点などの仕事はボランティアという。
 さらに夏休みや冬休みは収入がゼロになる。働く期間も数週間〜数カ月と不定期で、学校側の都合で決まる。

 ◆ 学校掛け持ち 準備が不十分
 男性は家賃3万円の風呂なしアパートで暮らし食費を切り詰めた。
 居酒屋店員のほか、派遣登録をしてパチンコ店の警備員やイベントの誘導員などのバイトを週末や空き時間に手当たり次第入れたが、「限界に達した」ため時間講師を辞めた。
 自分の生活だけの問題ではない。三校の講師を掛け持ちしたときは生徒の顔と名前が覚えられなかった。
 教える科目が増えて予習が追いつかず、不十分な準備で教壇に立った。
 「自分のように教員採用試験を目指して時間講師をする人は多い。正規教員と同じ仕事をしているのに低賃金で悲しく、教育の質を落とすことにつながるのが怖かった」と心情を語る。

 ◆ 組合にも頼れず・・"孤独"
 こうした生活苦のため、親元から通わざるを得ない教員も多い。教員採用試験の予備校に通いながら、都立高で時間講師をしている別の二十代男性は、年収が九十万円程度。「いい年をして実家で暮らしたくないが、生活できない。最低限、自活できる給料がほしい」と話す。
 そして、二人がそろって口にするのは“孤独”という言葉だ。「同じ悩みを抱える人は多いと思うが、複数の学校の掛け持ちやアルバイトに追われ、孤立している。教職員組合にも頼れず、どこに相談していいのか分からない」

 ◆ ごまかし答弁 都教委「適切」
 2009年度の東京都の公立学校の時間校指数は4619人で、全体の教員定数の7・4%にあたる。年々増加しており、05年度と比べると744人増えた。
 今年三月の都議会文教委員会では、ある都議が「生活保護基準以下の時間講師の実態をどう受け止めるか」とただした。都教委の担当者は「時間講師が週四十時間勤務した場合は、正規教員より年収が約150万円上回る」と答弁。
 しかし、時間講師が勤務できるのは、週26時間までと上限が決まっている。
 これでは架空の給与設定であり、議会答弁はごまかしではないか。
 都教委は「給与体系は適切。時間講師の待遇改善に特別の方策を講じる必要があるとは考えていない」としている。
 こうした教員のワーキングプア問題は、非常勤採用を増やさねばならない教育制度に大きな原因がある。少人数学級やチームティーチング(複数教員の指導)が進む中、限られた予算で教員数を増やす必要があるからだ。

 ◆ 正規を上回る 地方自治体も
 さいたま市で小学校の臨時教員をしている50代女性もその一人。
 都立高校の時間講師と違い、同市の非常勤職員として採用されている。時給は千二百十円。1日5時間、週五日間勤務し、夏休みなどの長期休暇は収入がゼロになる。
 年収は約80万円で、生活保護を受給している。
 女性には金銭的に頼れる家族がいない。週末にスーパーの試食販売のバイトをしたが、「体力が持たず、学校で子どもが話し掛けてきても面倒くさく感じるようになった。これでは教師失格だと思い、バイトを辞めた」。
 現在の月収は約11万円で、不足分の約40000円を生活保護費で補う。
 女性は「生活保護は無縁と思っていたので、落ち込んだ。今は授業の準備や教材研究をしっかりやって、子どもにちゃんと教えるためには仕方がないと割り切っている」と話す。
 こうした非正規採用の教員を増やす動きは全国でみられる。
 たとえば大阪府教委では、採用時に正規教員を非正規教員が上回る「倒錯した」(大阪府の教職員組合)状態が続いている。
 本年度採用の数字でみると、小中学校の正規教員が1215人に対し、「定数内講師」といわれる非正規教員は2003人も採用されている。

 ◆ 人件費抑制 生徒にツケ
 文部科学省学校基本調査などによると、〇九年度の全国の公立小中学校教員に占める非正規教員は約七万四千人(11・1%)。〇五年度の同約六万一千人(9.1%)と比べて増えている。
 ところが、その全容は見えづらい。
 非正規教員の数は「市町村の非常勤を含めて、小学校から高校までの公立学校で約二十万人」(全日本教職員組合)との推計があるが、自治体ごとに呼称や条件が異なり、統計をとりにくい。「まず用語統一から考えなければいけない」(同)という。
 教育評論家の尾木直樹さんは「非正規は低賃金で雇用の調整弁。ワーキングプア教員の問題も、この間進んだ労働者の非正規化の『教員版』といえる背景には、行政改革推進法で進められた人減らしや経費節減の流れがある」と話す。

 ◆ 「教育力の低下」懸念
 尾木さんは「一番の問題は教育力の低下だ。身分や雇用が保障されなければ、継続的な学級運営などできないし、教材研究にも力が入らない」と指摘した上で、こう話す。
 「非正規だろうが、子どもや親にとって先生は先生。こんないびつな採用をしながら、目標に学力向上を掲げて声高に叫ぶのはおかしい。教育の質を保つために国はどうするつもりなのか」

 【デスクメモ】
 評論家先生は官房機密費からカネをもらい、政治家先生は高額報酬や各種手当に政党助成金(これらは税金です)、企業団体献金を受け取り、お医者先生は患者家族から礼金をいただく。彼らは「先生」と呼ぶに値しない。
 正真正銘の学校の先生が生活苦でバイトに大忙しだなんて、世も末ではないか。(立)

 『東京新聞』(2010/5/24【こちら特報部】)


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